WinAce v2.0 Beta2 について





○始めに

2000年8月21日(現地時間)に "WinAce v2.0 Beta2" がリリースされました。
欧米(特にアメリカ?)でそこそこメジャーな形式なのでそれなりに興味を持っていたのですが、先日一寸WinAceをいじる機会を得たので旧版やWinRARとの比較をも含め、試してみることにしました。
一応、WinAceのSiteに"WinZip8"、"WinRAR2.70"、"WinAce1.2"との比較が掲載されているんですが、一般的にそう言うものはアテにならないものってのは基本なので(笑)。

で、試した結果、一寸面白い結果が出たので、報告をしたいと思います。
なお、このデータは私の環境上での一例を示すものであって、何ら絶対的な物を表しているのもではないことを最初にお断りします。


注)
文中では

WinAce v2.00 Beta2WinAce 2b2
WinAce v1.32WinAce 1.32
WinRAR v2.60jWinRAR 2.60j

と表記します。






○SPEC、仕様について

WinAceのv2.**系では圧縮形式に変更が有ったらしい様です。つまり、WinAceのv2.**系で圧縮したものは、v1.**では処理できないって事です(むろん、RarUty+UnAce.dll でも同様)。2.**でも1.**と同じ圧縮は出来るようですけど。

アプリ対応形式(圧縮&解凍可/解凍のみ可)圧縮Lv辞書SizeSolid形式RecoveryRecordその他
WinAcev1.32ace,lzh,cab,zip,jar/rar, arc, arj, gzip, tar, zoo6段階
6段階

---
WinAcev2.0Beta2同上6段階
8段階
Ace2.0 Compression採用
WinRARv2.60jrar,zip/cab,arj,lzh(要外部EXE)6段階
6段階
MultiMedia圧縮有り

WinAce 2b2 でのSPEC上の変更点は、"DictionarySizeの増加"、"Ace2.0 Compression採用" の二つがMainですね。それなりに圧縮エンジンに変更が有ったことをうかがわせます。






○比較、其の壱

夫々のアーカイバについての比較をしたいと思います。
この項では圧縮率よりは、処理時間に重点をおいて比較しています。


[Test環境]

MyPC Spec
:K6-2(400)、192MB
・圧縮対象
:無圧縮FCD(236MB)
・付記
:裏でSCMPXを走らせながら圧縮を試みました。
:設定は夫々のアーカイバの最高圧縮(DictionarySize最大、Solid形式利用)に加え、リカバリレコード付加等の安全対策をONにしました。


[結果]

 圧縮時間圧縮Size(圧縮率)解凍時間(RarUty1.69g)解凍時間(WinAce1.32)解凍時間(WinAce2b2)解凍時間(WinRAR)
WinAcev1.3212分12秒134MB(57%)05分25秒02分13秒02分16秒---
WinAcev2.0Beta227分54秒77.7MB(33%)------02分05秒---
WinRAR2.60j52分58秒80.8MB(34%)01分47秒02分04秒02分01秒01分50秒


[所感]

なんでこんなに圧縮時間が違うかなぁ…。
"WinAce 1.32"を最初に使ったんですが、236MBものFCDがこんな時間で圧縮されるのは一寸びっくりしました。
で、次は"WinRAR 2.60j"でしたが、期待通り遅かったです(笑)。でも、Sizeはなかなかでした。時間掛かっただけは有りますね。
"WinAce 2b2"はWinAce1.32より時間は掛かりましたが、WinRAR 2.60jよりも小さく、且つ短時間で完了した のはなかなか驚くべき点です。

RARの解凍はどのアプリもほぼ同じですね。
WinAceUNRAR.DLLを使っているので同じ結果が出たのでしょう。
寧ろ着目点は、WinRARは解凍系のエンジンをPowerUPしてないって事のような気も(笑)。そんなに致命的に遅い、とかは思いませんが…。

まぁ、WinAceみたいに、本体は速度が上がっているのにDLLはぜんぜん手をつけてないってのもどうかとは思いますが(苦笑)。






○比較、其の弐

解凍圧縮の処理速度の対比も掴めたので、次は単純にFileTypeによる比較です。
今回はどんなものにどれが適してるか、という傾向を見たいと思います。

・環境条件は上述と同じ
・対象ファイルは以下の通りです

WAVE (34.1MB)
MP3 (3.09MB)
M$ MPEG4 (3.71MB)
BMP (3.51MB)
TXT (1.68MB)
Log (7.37MB)
DOC (1.91MB)
HELP (3.77MB)
EXE(IRIA) (1.51MB)
EXE(WORD98) (5.36MB)
EXE(XGWorks) (5.97MB)
上記全て (72.1MB)

注)
TXT以外は全て単一のファイルです
TXTのファイル数は78です


・各項目の説明
結果を見る上で参考にしてください。
使ってる文字の意味は
MB = メガバイト
KB = キロバイト
m = 分
です。
また『 [ ] 』で括られているものは其の項で使っている単位を示します。

形式WAVE、とかMP3とか、ですね。書いている通りです。
アプリ圧縮に使ったToolです。
Ace1.32(WinAce v1.32)、Ace2b2(WinAce v2.0 Beta2)、Rar2.60(WinRAR2.60j)です。
時間[分、秒]圧縮に要した時間
処理速度[MB/m]一分あたりにどれだけのデータを圧縮したか。圧縮速度と見て良いです。
但し、これが高いからといって、優れているとは限りません。あくまでも処理速度なので、結果的に殆ど圧縮されて無い場合も有るわけです。
『元のSize/処理時間(分)』で算出しています。
圧縮後Size[MB](圧縮率[%])まんまです(汗)
圧縮の目安[%*MB/m]圧縮率と圧縮速度をそれなりに複合的に考えようと思い考案。
『{(100 - 圧縮率)/100}*(処理速度)』
で算出
値は高いほど良いです。高い分には全く問題無いです。
ただ、圧縮率が良くても処理速度が遅いとき、または其の逆のパターンでも数値は低くなります。後者ならまだそれでも良いんですが、前者も値が低くなってしまうので、なんともまぁ…。
そういうことも有るので取り敢えず、参考程度に止めておいて下さい。
もし、圧縮を試す人が、圧縮率のみを気にしたいのでしたらこの項は無視して構いません。しかし、所要時間と複合的に考えたい人はこの値と、圧縮率を両方勘案して判断してください。若しこの数値が低くても、圧縮率が馬鹿高かったら考慮の余地有るでしょうし…。
こう言う結果になるのは「時間」と「圧縮率」を等価に扱ってる為です。数式にするものでもないですが、若し、
『時間の重要度:圧縮率の重要度 = x:y 』 (但し、x+y=1)
とハッキリ定義できるなら
此方の式で絶対的に判断できるでしょう
『{x*(100 - 圧縮率)/100}*{(y*処理速度)/m}』

……ただ、時間に重点をおくか、圧縮率に重点をおくか数字でしっかり決められる人は居ないでしょうから(笑)、あくまでも理論上の式です。
…同じToolの中・或いはWinAce間ではそれなりに意味を持たせることはそんなに問題ではないと思います。



[結果]

形式アプリ時間処理速度[MB/m]圧縮後のサイズ(圧縮率)圧縮の目安[%*MB/m]
WAVEAce1.32
Ace2b2
Rar2.60
02分53秒
04分52秒
02分00秒
11.8MB/m
7.00MB/m
17.1MB/m
32.3MB( 94%)
22.9MB( 68%)
24.3MB( 71%)
0.708
2.24
4.96
MP3同上00分15秒
00分25秒
00分35秒
12.4MB/m
7.41MB/m
5.30MB/m
3.05MB( 98%)
3.05MB( 98%)
3.05MB( 99%)
0.248
0.148
0.053
M$ MPEG4同上00分18秒
00分30秒
00分46秒
12.4MB/m
7.42MB/m
4.84MB/m
3.58MB( 96%)
3.57MB( 96%)
3.59MB( 97%)
0.496
0.297
0.297
BMP同上00分06秒
00分13秒
00分16秒
35.1MB/m
16.2MB/m
13.1MB/m
302KB(8.6%)
317KB(9.0%)
288KB(8.2%)
32.1
14.7
11.1
TXT同上00分20秒
00分19秒
00分35秒
6.64MB/m
5.31MB/m
2.88MB/m
572KB( 34%)
518KB( 31%)
520KB( 31%)
4.38
3.66
1.99
Log同上00分38秒
01分02秒
02分03秒
11.6MB/m
7.13MB/m
2.42MB/m
1.18MB( 16%)
1.15MB( 16%)
1.17MB( 16%)
9.74
5.99
2.03
DOC同上00分03秒
00分04秒
00分08秒
38.2MB/m
28.7MB/m
14.3MB/m
116KB(6.1%)
72.7KB(3.8%)
102KB(5.3%)
35.9
27.6
13.5
HELP同上00分10秒
00分15秒
00分29秒
37.7MB/m
15.1MB/m
7.80MB/m
583KB( 39%)
549KB( 15%)
560KB( 15%)
32.0
12.8
6.63
EXE(IRIA)同上00分08秒
00分07秒
00分12秒
11.3MB/m
12.9MB/m
7.55MB/m
3.01MB( 50%)
2.74MB( 51%)
2.96MB( 55%)
6.89
8.77
4.68
EXE(WORD98)同上00分42秒
00分37秒
01分08秒
7.66MB/m
8.69MB/m
4.73MB/m
3.01MB( 50%)
2.74MB( 51%)
2.96MB( 55%)
3.84
4.26
2.13
EXE(XGWorks)同上00分28秒
00分29秒
01分08秒
12.8MB/m
12.4MB/m
5.27MB/m
1.27MB( 21%)
1.08MB( 18%)
1.25MB( 22%)
10.1
10.2
4.11
上記全て同上06分05秒
09分38秒
10分44秒
11.8MB/m
7.48MB/m
6.72MB/m
46.5MB( 64%)
36.4MB( 51%)
39.1MB( 54%)
4.25
3.67
3.09
前述FCD(参考)同上12分12秒
27分54秒
52分58秒
19.3MB/m
8.46MB/m
4.46MB/m
134MB( 57%)
77.7MB( 33%)
80.8MB( 34%)
8.30
52.1
2.94



[所感]
"WinAce 1.32"はこの三つの中では一番の速さを誇ります。
但し、圧縮率が一般的に低めなのが三つの中では欠点ですね。
あと、WAVEファイルの圧縮が殆ど出来ない点も欠点でしょう。
得意なカテゴリーには爆速のようです(笑)。>BMP,DOC,HELP

"WinAce 2b2"は"WinAce 1.32"の改良版たる能力を持っていますね。
速度も1.32より遅くなったとはいえ、それでもWinRARよりは早く、また圧縮率もWinRARと同等、若しくは少し上を行っています。
なかなか使えるようですね。
ただ、WAVEの圧縮に関してのみ、圧縮率は良いのですが、処理速度がかなり遅いです。
エンジンの特性でしょうか?
もひとつの問題は、このバージョンアップによって"WinAce1.**"(若しくはRarUty)で処理できなくなってしまうという点です。まだBeta版ですし。
なかなか魅力の有るものではありますが、ファイルの一般配布にはまだ向いてないと言えるでしょう。


"WinRAR 2.60j" はこの中で一番古いタイプですね。しかも、最新版は2.71ですがな(汗)。圧縮に関して劇的な進歩は無いと思うので、多分2.71との差は殆ど無いとは思いますが…。
でも、新しいWinAceに負けが込んでますね(苦笑)。
まぁ、がんばって欲しいものです。


しかし、こう言う独自のアーカイバって、独自形式があるってだけで安住して居るような気がします…。独自形式処理以外で使いたくなるような機能や、ユーザーインターフェースを備えてないですよね…。
独自形式以外だったらもっと良いFreeのソフトが有りますよね…。
なんだかなぁ…。



Written by Scherzo
2000.09.29
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